Interpreneur (インタープレナー)Meet-Up ※終了しました。

6/26に「Interpreneur (インタープレナー)Meet-Up」を開催いたしました。

イベントは、「インタープレナー」という新しい選択肢について、実際にプロジェクトで活躍している人達の話を聞きながら理解を深めていく、完全招待制のオンラインイベントです。

【日時】2020年6月26日(金)17:00 - 20:00
【場所】オンライン(Zoom)
【参加費】無料

◆プログラム概要◆

【17:00-:開始 イントロダクション 】

「インタープレナー」が求められる社会的背景、SUNDREDが目指している新産業共創についてお話しします。

【17:20-:インタープレナー活躍事例】

実際にインタープレナーが活躍している新産業プロジェクトの事例を紹介します。

  1. フライングロボティクス産業コンピューティングの世界をこれまで人間が到達できなかった場所にまで広げていくドローン(フライングロボティクス)産業。グローバルの文脈で日本の強みを理解した上で、世界で勝てるドローン産業を創り上げ、人類の可能性を広げていくプロジェクトです。
  2. ユビキタスヘルスケア産業医師/病院と患者の普遍的な関係をテクノロジーを使ってアップデートし、時間と空間を超えて必要な医療を必要な場所に届ける事。それがユビキタスヘルスケア産業のビジョンです。
  3. フィッシュファーム産業水産資源の減少や世界的なタンパク質クライシスが叫ばれる中、「陸上養殖」の領域で日本の食文化とテクノロジーを活用し、世界に貢献する産業共創プロジェクト。

【19:00-:インタープレナーセッション】

インタープレナーとは?グループダイアログとパネルディスカッションを通して、インタープレナーの役割を深く理解する対話型セッションです。

【20:00-:まとめ・終了】

主催:SUNDRED株式会社

 

弊社CEO留目よりイベント総括

SUNDREDのイベント「Interpreneur (インタープレナー)Meet-Up Vol.0」。3時間半に渡るセッションを通じて「新産業とは何か」「なぜ新産業が求められているのか」「インタープレナーとは何か」「インタープレナーがなぜ新産業共創の主役になるのか」「個人がインタープレナーとして活躍していくために障害となっているものは何か、どう乗り越えていくべきか」等、実際に「インタープレナー」として活躍している人の話も聞きながら、じっくり共有する時間を持ちました。

(どこの組織に所属していようとも)「社会起点」で「目的志向」で価値創造する「個人」がインタープレナー。社会人として社会と自分の関係性を常に考え、対話を通じて共感する目的を共創し、クエストチームを組成したり参加したりしてエコシステムを構想し、自社を含め活用可能なリソースを有効に活用しながら、目的を実現していく人達。

NPOでもボランティアでもなく、ビジネスを通じて社会を一歩前に進めてより良いものにしていく人達。ただ集まるだけでなく、「実現すべき未来」のための駆動目標、エコシステムを構想し、自律した社会人として、自分の意思で目的を優先して行動していく人達

個々に動き出している人達が、対話を通じて「インタープレナー」の理解を深め、その定義そのものを共創し、新しい共通言語としてその行動様式を意識し始めたとき、変えられない、動かせない、と思っていた世界が、変えられるもの、動かせるものになり、大きなインパクトを創り上げていくことができると確信しています。

新産業は創れる。SUNDRED/新産業共創スタジオで試行錯誤して確立してきた「新産業共創プロセス」および進行中の10個以上の新産業共創プロジェクト、そしてトリガー事業の成長がそれを証明しています。クエストはゲームの話ではなくリアルの話。今こそ旗を立てて剣を抜く時。「実現すべき未来」をともに創っていきましょう!!

 

グラレコ


弊社CEO留目対談記事『陸上養殖、オンライン診療……普及させるための「トリガー」とは』

ブランド企業に対するデジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛け、『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でもある望月智之氏が、ゲストと「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う企画。

弊社CEO留目と望月智之氏との対談記事が公開されました。

陸上養殖、オンライン診療……普及させるための「トリガー」とは


VAIOのドローン事業の新設子会社代表にSUNDRED代表の留目が就任

 SUNDRED株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:留目 真伸、以下SUNDRED)の代表である留目 真伸が、VAIO株式会社(本社:長野県安曇野市、代表取締役社長:山本 知弘、以下VAIO)が設立した新会社・VFR株式会社(以下VFR)の代表に就任したことをお知らせいたします。

 VFRは、ドローンによる社会インフラの革新を推進・加速するための機体開発、ソリューション提供をオープンイノベーションを通じて推進することを目的にVAIOの子会社として3月に設立され、4月9日より営業を開始いたします。

VAIOのドローン事業の新設子会社代表にSUNDRED代表の留目が就任

 


【 Industry-Up Day 2020 Spring 】 新産業共創プロジェクトのローンチ&ネットワークイベント

※終了しました。

Industry-Up Dayとは?

Industry-Up Dayはオープンイノベーション型価値創造に携わる全てのビジネスパーソンのためのプロジェクトローンチ&ネットワーキングイベントです。

Industry4.0/SDGsの時代に求められる「社会善・共通善」の要素を持ったオープンイノベーション型の価値創造のプロジェクトを私たちは「新産業共創」と呼んでいます。

Industry-Up Dayでは、実際に進行中の6つの共創プロジェクトを事例に目的志向のオープンイノベーションの実践、新産業・新規事業開発の課題や共創のための新しいフレームワークを体感できます。

興味あるプロジェクトへの参画、新しい共創プロジェクトの提案を含め、実践者や仲間たちと共に新産業・新規事業の共創を検討できる場となっていますので、ぜひご参加ください。

【発表プロジェクト】

  • ユビキタスヘルスケア産業
  • フィッシュファーム産業
  • ハピネスキャピタル産業
  • ビューティインテグレーション産業
  • 共感トラベル産業
  • リジェネレーティブフードシステム産業

◆開催日時◆
2020年2月12日(水)16:00-21:00 (15:30開場)

◆参加費◆
3,000円

◆開催場所◆
BASE Q ホール(東京ミッドタウン日比谷内)

新産業共創スタジオ

Industry-Up Day 2020 Spring - Interview Vol.3 - インタープレナーセッション特別インタビュー -

2月12日開催「Industry-Up Day 2020 Spring 」の各セッション登壇者へのインタビュー特別企画。第三弾は企業発のイノベーションを促進する一般社団法人Japan Innovation Network代表理事、西口尚宏氏です。イノベーションに関する国際規格「ISO56002 イノベーション・マネジメントシステム」の策定に日本を代表して関わった西口氏、その本質はマネジメントシステムとイノベーション活動を行う人材にあると語ります。

イノベーション活動の本質的課題は万国共通

西山 大変お忙しい中、取材の機会をいただきありがとうございます。本日は2月12日開催「Industry-Up Day 2020 Spring」の特別企画ということで、西口さんがモデレーターをつとめるインタープレナーセッションや「ISO56002 イノベーション・マネジメントシステム」についてお聞きしたいと思っています。

西口 そもそもイノベーション活動は何かについて話ししてもいいでしょうか。イノベーション活動とは、ある現状の状況から別の状況に意図的な変化を起こすこと。その変化が、お客様や社会にとって価値があるものがイノベーションです。変化を起こしてるけれど、価値がない変化もあります。それはイノベーションとは言えません。

民間視点で言うと、誰かが価値を認めて対価を払う、つまり対価を払いたくなるくらいの変化を価値があるとみなします。価値はあるけどお金を払うほどではないものは民間企業ではイノベーション活動として認められないというのが大前提です。個人、法人、政府など、特定の顧客セグメントの誰かが喜んで対価を支払いたくなるような意図的な変化、それがイノベーション活動の本質です。

じゃあそれ、誰がやるんですか?組織ですか?とか言われることが多いですが、詰まるところは人がやることです。Aという現状を見て、今のままじゃダメじゃないかと思い、Bという状況模索することもあれば、「そもそもBという状況であるべきだ」と理想の状況からバックキャストして、その状況に近づけていくアプローチもあります。どちらも意図的な変化であることが大前提です。

変化を起こしてないものはイノベーション活動とは言えません。変化が起こるということは今までやってたことを否定しなきゃいけなかったり、変えなきゃいけなかったりする。今までになかったことを作らなきゃいけないという意味で、組織に緊張感が生まれます。

イノベーション活動では常に組織には緊張感が生まれます。起業家の方は、組織がない状態で仕事を創りだすため、既存の組織で生じる緊張感はほぼありません。しかし、既存の組織の中からイノベーションを起こす場合、緊張の度合いは通常より大きい。

なぜなら、ある一定規模に組織が大きくなると、現状を変えることよりは今までの現状をきちんと回すオペレーション、もしくは日本語で言うと操る業と書いて「操業」にエネルギーが集中するからです。GoogleやAmazonだってそうです。変化はどんどん起こしているのだけれど、目の前の仕事をしっかり回すことでお金を稼いで組織が成立しているので、組織としては目の前のことをしっか実行することに社内のリソースを回すようになる。これは世の常です。

オペレーションをするからキャッシュフローが増える。イノベーション、新しいことを起こそうとすると、既存のオペレーションとの間で緊張感が出てくる。ひょっとしたら今のオペレーション変えなきゃいけない、ガラポンして0から作り直さなきゃいけない状況が起こる。この緊張感こそ既存の組織からイノベーションを起こす際に起こる本質的な課題です。

この課題は日本・アメリカ・中国など国を問わず、必ず起こる状況です。いい悪いじゃなくて、組織とはそういうものなんです。国を問わずに困っている。だから2013年にフランスが発起人で全世界59か国を巻きこんで、既存の組織からイノベーションを起こすためのマネージメントシステムを作っていこうじゃないかという取り組みが始まった。そして、2019年に結論が出て同年7月に発行したものが「ISO56002 イノベーション・マネジメントシステム」です。

世界共通の悩みはイノベーションを既存の組織から、既存のオペレーションが確立している組織から起こすこと。とても難しいけども、何とかしなければいけない。だから試行錯誤してる人たちが集まって考えてできた国際規格がISO56002 イノベーション・マネジメントシステムです。

イノベーション人材の真価をマネジメントシステムで引き出す

西山 既存組織ではオペレーションとイノベーション活動の間で緊張感が生まれてしまうと言われていましたが、この緊張感を緩和するシステムがイノベーション・マネジメントシステムなのでしょうか?

西口 一般的に、イノベーション活動には試行錯誤のプロセスが不可欠です。この試行錯誤の成功確率を既存の組織の中で上げる方法論をマネジメントシステムの観点からまとめたものが、ISO56002 イノベーション・マネジメントシステムだと私は言っています。

西山 私がISO56002 イノベーション・マネジメントシステムを読んで感じたことは、探索、つまりその個人の自思いや内発的動機に基づいて、組織の目的と折り合いをつけながら試行錯誤をすることを是とすることが本質なのではないか?と感じました。既存組織で試行錯誤のプロセスが導入されていない、導入されているとしてもうまくいっていないことにはどのような理由があるとお考えでしょうか?

西口 当然、試行錯誤ですから成功確率は低いわけです。成功確率が低いものを成功確率が高いオペレーションやってる人が見ると、なぜ成功確率の低いものにリソースを割かなきゃいけないんだと思うことはよくある話です。ただ、個人の思いがあったからといってそれだけで組織が変わるかというとそうではなく、組織を変えるには大変な労力がかかるわけです。

そこに、マネジメントのシステムがあると機会の特定からソリューションの導入までの、いわゆるイノベーション活動の一連の流れをいかに効率良くするかについて誰もが考えることができます。

西山 ありがとうございます。改めてISO56002イノベーション・マネジメントシステムについてお聞きしてもよいでしょうか?

西口 ISO56002 イノベーション・マネジメントシステムはいくつかのモジュールに分かれています。組織が置かれている独特な状況に基づいて機会に関わる意図を持つこと。そして、その意図に基づいてイノベーション活動が行われることによって、価値が世の中に生まれるという考え方を基本的に持っています。そのためには組織の意図を決める経営陣たちの存在は圧倒的に重要で、彼らのコミットメントやイノベーション戦略を持つことが必要です。

次に、イノベーション活動がある。これには五段階あります。「機会の特定」からビジネスモデルを含む「コンセプトの創造」とその「検証」。良い検証ができたら「ソリューションの開発」に入り、それを導入する。これを行ったり来たり試行錯誤して実行することが今回のイノベーション・マネジメントシステムの特徴です。

さらに、それを支える「支援体制の構築」があり、これらの要素がシステムとしてつながっていると考えています。かつ全体のシステムは一定のプランに基づいて、試行錯誤を繰り返しながら成熟を続けていきます。

よく社内規程文書を作ったりするということがISOだよね?と勘違いしてる人がいるんですけど、そうじゃなくて経営陣を交えてイノベーションを生み出すための活動計画として、最低限これだけできてないとヤバイですよっていう基準がISO56002なんです。

だから、私はいわゆるつまみ食いはやめてくださいと言っています。イノベーション・マネジメントシステムのここの部分だけやって、これはやらないっていうのは駄目です。システムとして不完全になるので、成功確率が下がります。成功確率下がると経営陣から見るとその活動の質が低いと判断される。そこで、全体をシステムとしてつなげることで、経営陣にとって意味のある活動にする必要性がある。だからイノベーション・マネジメントシステムの要素を部分的に導入するのではなく、システム全体として導入する必要があります。

西山 今回の2月12日の「Industry-Up Day 2020 Spring」では、新産業共創スタジオが提唱している「インタープレナー」についてディスカッションするセッションがあります。当セッションのモデレータとして西口さんがインタープレナーセッションに期待されていることはありますでしょうか?

西口  ISOのイノベーション・マネジメントシステムの中で非常に重要な要素があって、その一つが企業文化。もう一つは実は人材の質なんです。さっき申し上げた通り、ISOというと文書規定を作るとか、手続き論だと狭く捉える人がいるのですが、今回のマネジメントシステムはそうではなくて、人の質も重要な構成要素の一つなんです。

「インタープレナー」というのは、頼まれもしないのに自分の意志で、時として従来の組織の壁を乗り越えながら、質問しまくったりコンセプトを作りまくったり仮説検証しまくったりする人たちのこと。なので、イノベーション・マネージメントシステムの中では人は絶対的に必要な要素なんです。

アクセラレーションプログラムやスタートアップのピッチコンテストなどの仕組みはたくさんありますが、そこにはインタープレナーという最も必要なシステムの構成要素が欠けている、もしくは彼らの存在を重要視している仕組みは極めて少数派だと思っています。彼らがいないイノベーション活動は例外なくうまくいってないと思います。

前職の産業革新機構の時代を含めて丸10年ひたすらこのテーマを追いかけていて感じるのが、最後に勝負を決めるのは人材の質ですね。これはイノベーション活動に限らず、ほぼ全ての企業活動・事業活動の本質だと思います。ただ、インタープレナーだけいても、彼らがシステムの構成要素だとすると、他のシステムの要素がそろってないとインタープレナーの真価が発揮できません。

インタープレナーが真価を発揮するためには、経営陣のリーダーシップやコミットメントあるいは支援体制の構築、そもそも何を会社として組織として狙っていくのかという意図の存在がすごく重要なポイントとなります。

今回は、イノベーション活動のにおいて重要な構成要素であるインタープレナーたちが5人揃っています。彼らが自分の会社のマネジメントシステムをどういう風に感じているのか?ここが当社は強いです、ここは弱いです、ここはもっと強化の余地がありますといった意見が色々あると思っています。そんなことをディスカッションできればと考えています。

インタープレナーはマネジメントしてもらうのが極めて重要な構成要素であるっていうことをお伝えしたいですね。だけど、インタープレナーだけでは実は既存組織からはやっぱりものは動かない。もし動いたとしても、そのインタープレナーが辞めちゃったらそれで新規事業が終わり、といったケースは枚挙に暇がありません。再現性はないし、持続性もない。これは会社の経営としてはよろしくないと考えています。

イノベーション人材の「ポートフォリオ」を持とう

西山 インタープレナーは教育で育成できるものでしょうか?それか、偶発的に存在するインタープレナーを集めてイノベーション活動にアサインするのか、それとも外部からヘッドハンティングという形で迎えるのか?全ての手法を取りうるべきと思いますが、西口さんとしてはどこに注目されていますか?

西口 最近亡くなったハーバード大学のクレイトン・クリステンセン教授が、『イノベーターのDNA』という本を出版しており、イノベーションを起こしてきた人材の特性が理論的に定義されています。現状に異議を唱える、質問をしまくる、観察する、ネットワーク力など様々な力が紹介されています。その能力は育てられるのか、育てられないか。私は育てられると思います。

水泳に例えると、小学校の水泳教室で25m泳げない人もいれば、簡単にマスターして25mどころか、2km泳ぐ子もいる。北島康介のようにオリンピックに出る子もいる、といったように色々なパターンがあります。

水泳教室に行ったら全員北島康介になりますか?と言われるとそうではない。けれど「水泳ができる人が増えますか?」と言われると、増えると答えられます。剣道、柔道、テニスでもなんでも同じです。育てられるかどうか?と言う質問は申し訳ないですが間違いで、インタープレナーの要素を持った母集団を増やすことができますか?と言われば、それは間違いなくできるはずだと思っています。

その中に突出した人材もいれば、そこそこ向いてる人もいると色々なパターンが出てくると思います。これはすべての職業において起こることです。しかし、インタープレナーやイノベーター的な人がいた方が良い!という意図がないと母集団は形成されません。よくある密造酒伝説的に、社内に変わった奴がいたら活用しようという戦略は間違いです。変わったやつを大量に抱えつつ、その中でとてつもなく活躍する人もいればそうでない人もいるだろうという人材ポートフォリオの考え方が必要です。

今までの仕事の大半がなくなるかもしれない。やり方を変えなくてもいけない。特にデジタル化の流れで、今までと違うことを組織全体でやらなくてはいけない。そのような状況で今まで通りのことしかやれない人しか組織内にいないとその組織の未来はないですよね。その会社の経営陣は覚悟を持って人材のポートフォリオをアップデートをしたいのか。それともしたくないのか、ということなのではないかと思っています。

西山 人材の質という観点がとても重要だということがわかりました。一方で、イノベーション・マネジメントシステムを導入していこうと推進する人材の育成も重要だと思うのですが、今後JINとしてはそのようなことを実施していこうと考えられているのでしょうか?

西口 既にそのような職業が生まれ始めています。イノベーション・マネジメントプロフェッショナルという職業ですね。それは特に欧州を中心に生まれつつあり、私自身も東洋人で初めてスウェーデンの国立科学研究所から認定を受けています。JINとしては今後日本で育成できる機会を作り、この分野で輝く人を作っていきたいと思っています。スウェーデンのクライテリアは非常に厳密なので、カスタマイズしたジョイントのプログラムを国内でローンチ予定です。

西山 最後に参加者の方に向けてメッセージをお願いします。

西口 自分の会社からイノベーションを生み出していきたい人の必見のセッションになると思っています。また、自分もインタープレナーだなという人、そしてインタープレナーになりたいという人も必見のセッションになるかと思います。もがいてる人、自分はやってるという人、自分もなりたいという人はぜひご参加ください。後悔はさせません。

西口尚宏
一般社団法人Japan Innovation Network 代表理事
一般社団法人日本防災プラットフォーム 代表理事
パーソルホールディングス株式会社 社外取締役
国連開発計画(UNDP)イノベーション担当上級顧問
上智大学 特任教授
スウェーデン国立研究所(RISE)認定イノベーション・マネジメント・プロフェッショナル

上智大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒(MBA)。日本長期信用銀行、世界銀行グループ人事局(ワシントンDC)、マーサー社(ワールドワイドパートナー)、産業革新機構 執行役員等を経て現職。大企業からイノベーションは興らないという定説を覆す活動に注力。イノベーション経営を推進する経営者のコミュニティ「イノベーション100委員会」を経産省や株式会社WiLと共同運営するなど経営者の役割の重要性と具体的な企業内アクセラレーションプログラムの運営に焦点を当てる。オープン・イノベーション活動としてSDGs(持続可能な開発目標)をイノベーションの機会として捉える「SHIP(SDGs Holistic Innovation Platform)」をUNDP(国連開発計画)と共同運営。
ISO56000シリーズ策定にISO TC279に日本代表として参加。

主な著書:『イノベーターになる:人と組織を「革新者」にする方法』(日本経済新聞出版社、2018年)

取材・編集
西山和馬
SUNDRED株式会社 ディレクター


Industry-Up Day 2020 Spring - Interview Vol.2 - ユビキタスヘルスケア産業特別対談 -

2月12日開催「Industry-Up Day 2020 Spring 」の各セッション登壇者へのインタビュー特別企画。第二弾は聴診器デジタル化デバイス「ネクステート」を開発するシェアメディカル社の峯社長。そして産業界と医療界を繋ぎ、医療分野におけるAIやICTの社会実装を推進する聖マリアンナ医科大学大学院医療情報処理技術応用研究分野の教授であり、デジタルヘルス共創センター副センター長も兼任する小林先生の対談記事です。AI・ICTが医療業界にもたらすインパクトや産業界と医療界が共創する重要性について確認する対談となりました。

写真:聖マリアンナ医科大学大学院医療情報処理技術応用研究分野 教授
デジタルヘルス共創センター 副センター長
一般社団法人聴診データ研究会 理事 小林泰之 氏

患者視点の医療のデジタルトランスフォーメーションを実現するには?

 お忙しい中ありがとうございます。急遽、遠隔診療に関する実証実験に参加することになりまして、今日は遠隔からの参加となります。小林先生には医療の課題や医療と産業の連携の意義についてお聞きしたいと思っています。

小林 よろしくお願いいたします。私たちがご一緒している「ユビキタスヘルスケア産業」について、峯社長はどのように考えられているのでしょうか?

 ユビキタスヘルスケアとは何なのか?というのを説明する機会があり、自分なりに概念として一番近いのが産業分野で現在盛んに取り組まれているDX、つまりデジタルトランスフォーメーションであると考えています。単純に聴診音をデジタル化するだけであれば、それはデジタライゼーションしただけです。

DXの本質はテクノロジーによって生活や労働、会社経営などを根本から変革することとされています。医療におけるDXとは「医療者が働きやすい環境で医療を必要としている人に必要なタイミングで医療を届ける」この一点に尽きると思います。

テクノロジーを使って時間と空間を超えて、偏在している医療を普遍化していく。ユビキタスヘルスケアでは、医療者と患者、そして社会のいずらにも負担がかかること無く、誰もが必要な時に医療資源にアクセスできる世界を目指していきたいと考えています。そのために医療と産業の協力が大切だと思っています。

小林 医療と産業が手を取り合うことには賛成ですね。私は異業種混合戦が大切と常に言っており、積極的に企業と連携し研究開発やテクノロジーの社会実装に取り組んでいます。ただ、患者に役立つものは何かという軸で医療と産業が手を取り合わないといけないと考えています。

以前、とある企業と医療機器を共同開発した際に「どんな製品を作りたいですか?」と企業側に聞いたら「放射線科医や診療放射線技師にとって最も使いやすいものを作りたい」と言ってくれました。

医者が臨むシステムを作れば、結果として患者さんの役に立つという発想なので嬉しい反面、開発するのであれば患者に役に立つことをベースに考えて欲しいとも思いました。その時は、主治医や臨床現場で働く人たちに話を聞き、患者さんの役に立つような医療製品を作って欲しいと企業側に提案しました。

私が講演する際にハーバード大学のブリンガムのZiad Obermeyer先生先生の論文の最後の3行を紹介します。そこには「AIの最大の勝者は患者さんである」と書かれてあり、患者さんのためにということが根幹であると感じています。なので、「必要な医療を必要な人に届ける」ために医療におけるデジタルトランスフォーメーションを実現するという目的には僕も同意いたします。

 医療におけるデジタルトランスフォーメーションの実現にあたって、乗り越えるべき壁はありますか?

小林 医療における個人情報の取り扱いの問題がありますね。これはクレジットカードの普及に習うべきだと思っています。カード会社に出す情報は個人情報ですよね。

銀行の情報は究極的な個人情報なので、初めは個人情報を渡すなんかできないよという人が多かった。しかし、 今はクレジットカードがないと生活できませんし、使う意義も分かった上でみんな個人情報をクレジットカード会社に預けます。

クレジットカードと同じく国民が自身の個人情報をどのように利用されて、メリットがあるのか説明して納得してもらわないといけない。医療側だけでは解決できませんので、医療以外の企業も巻き込んで、医療従事者は当然知っている状態で、国民全員が知っていく状態にしなければいけません。

 昔、銀行のATMにスキャナーをつけて紙でもらう医療情報をスキャンして銀行に管理してもらうアイデアを考えたことがあります。高齢者にスマホやアプリを使ってもらうのはなかなかハードルが高い。でも、高齢者の方も銀行行って預金下ろすことは当たり前にできる。そのメタファーと銀行の信頼に医療側が倣えば・・と考えました。

小林 医療問題についてお話をすると、問題はたくさんあります。しかし、一番の問題はこの国の医療に関しての喫緊の課題を国民が正しく知らないことだと思っています。地域包括ケアや地域医療連携で医療がどう変わっていくか知らない方が多い。また、医療費高騰に目を奪われがちですが、何が高騰の原因なのか?実は高齢化ではなく、医療の高度化の影響が大きい、などは多くの人に知られていません。

 我々はコンビニで数%のポイントの有無でお得になった、損したと一喜一憂しますが、社会保障費として毎年計上される40兆円、50兆円という単位になると身近に感じられなくなり、どこか他人事になってしまい、国民は医療が今どうなっているか関心が薄れてしまうのではないかと思います。

小林 より根本的な問題は医療従事者さえ知らないことが多いことですね。医療従事者が知らないから、当然国民も知りません。国民が知らなければ、政治も動かず医療制度も変わりません。今医療で何が起こっているかを知らないことが問題だと思っています。

 こうした現状を打破するにはテクノロジーを活用してある程度合理化していく必要があるかと思いますが、日本がAIやICTを使っていく上でモデルとなるような国はありますか?

小林 AIやICT化を活用し、国民情報を集約化している事例がデンマークだと思っています。デンマークはヨーロッパで最もIT化が進んでいる国の1つですが、高齢化が進んでいる一方で毎年GDPを増やしている国です。国民データを統合し、AIやICTを使って医療を効率化しています。デンマークのようなモデル国に日本が近づいていかなければ、日本の医療は大変なことになると思っています。

AIやICTの医療へのインパクトとは?

 小林先生は企業と連携しテクノロジーの社会実装やAI教育を学生に行っていますよね。今後、AIやICTによって医師の仕事はどのように変わっていくのでしょうか?私がお会いしたとある医師は医療データを定義する仕事に医師の仕事がシフトするのではないかと考えていました。

小林 間違いなく医師の仕事内容は変わっていきます。AIやICT化人間の仕事が機械に奪われるということではありません。みなさん本質を誤解しているように思います。田坂広志さんが『能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」』という本の中で人間は機械に次のような能力では勝てないと言っています。「無制限の集中力と持続力」、「超高速の論理的思考」、「膨大な記憶力と検索力」、他にも人間が長年の経験によって培われる「直感」でさえAIに代替されると言われています。大量生産後にはコストにも勝てないとも書かれていました。この話だけ聞くと絶望的な気分になります。

一方で、人間はAIや機械ができない、より高度な仕事に時間を使うことができる。AIは人間の能力を大きく開花させる産業革命なのだと田坂広志さんは書かれていました。テクノロジーの発達によって医療が高度化・効率化され、医師が時間的にも精神的にも解放される。そして、医療の原点である人を癒すことに医師が集中できることを意味していると私は思っています。AIやICTをツールとして医師が使いこなすことができれば、そのような未来がくるのではないでしょうか?

10年後には来ないかもしれませんが、20年後には医療者が行っている仕事のほとんどはAIがとって変わるかもしれないと考えています。AIやICTはすべての医療問題を解決するといえるかもしれません。

私の専門である放射線科医の仕事については、 深層学習の先駆者であるジェフリー・ヒントン先生が放射線科医の画像診断は全てAI化されるので、放射線科医はいらないと以前発言をしていましたね。笑

 笑。医療と産業が手を取り合って医療課題に立ち向かうにあたり、何が大切だとお考えですか?

小林 10年、20年のスパンで社会がどうなるかを見据えて研究していくことも必要ですが、私自身は3から5年先を見据えて技術を社会実装して医療問題を解決し、イノベーションを起こしていきたいと考えています。今は医療が危機的状況にあるので、私は医療の高度化と効率化を進めるためにも社会実装を積極的に進めていきたいですね。

 

社会が指数関数的に成長していく中で、常識を超えて考えていくために我々が大事にすべきことが二つあります。一つは異種混交格闘技戦であること。医療だけでクローズドに考えず、医療に様々な産業技術を組み合わせていくこと、それが新たな価値を生み出していくと思っています。

もう一つは20、30代前半の若い世代の人たちの若い力や発想力を社会にどう取り入れていくかを真剣に考えること。この2つは日本だけでなく、医療にAIやITを応用していくために必要な考え方だと思っています。峯社長の取り組みにはとても期待していますよ。

 ありがとうございます。笑  そうですね。ベンチャー界隈では経営者の情熱を表すのに「経営者の熱量が高い」という言い方しますが、これからは経営者だけでなく、会社全体、つまり社内に何かを生み出す多数の発熱源があるべきだと思っています。

それが多職種・多年代に伝搬して会社全体、そして取引先やパートナーすら熱量が高い状態、言わば会社のエントロピーの大きい企業同士が水平分業で社会課題に立ち向かう社会になると信じています。なので、資本や会社規模関係なく異種混交格闘戦的なプロジェクトベースのコラボを進めていきたいと思います!

小林 これからの時代を変えていくためには指数関数的な進化を前提として常識を超えて考えること、様々な業界を交えた異種混交格闘戦こそ重要です。医療だけでなく様々な産業との融合が必要だと感じていますので、2月12日のイベントでは様々な方と交流できればと考えています。ぜひ会場でお会いしましょう。

写真右上画面内:株式会社シェアメディカル 代表取締役 峯啓真 氏

小林泰之
聖マリアンナ医科大学大学院医療情報処理技術応用研究分野 教授
デジタルヘルス共創センター 副センター長

一般社団法人聴診データ研究会 理事
放射線科医師ではあるが、現在はヘルスケアを含むあらゆる医療分野のAI/ICT化を推進している。医療分野におけるAI/ICTの新たな価値創造と社会実装、さらに医療AI人材育成を目指して産官学を横断して活動している。

峯啓真
株式会社シェアメディカル 代表取締役

聴診音をデジタル化するデバイス「ネクステート」の開発者。現場思考で現場医師が抱えていた「聴診器の付け外しで耳が痛くなる」という課題解決を実現。多くの医師から感嘆をもって向かえられる。必要な医療を必要な人に届ける「ユビキタスヘルスケア」を提唱。遠隔聴診への挑戦を志している。

取材・編集
西山和馬
SUNDRED株式会社 ディレクター
ユビキタスヘルスケア産業のPMを担当。


弊社CEO留目インタビュー記事『スペシャリストではなく経営者を目指し、部門の壁を超えた / 1人しかなれない社長より、新たな目的を持つ「勇者」を目指すべき』

 iXキャリアストーリー・インタビュー記事掲載

前半・後半の2部にわたりインタビュー記事を掲載させて頂きました。

2020/01/28

転職や独立・起業などの選択肢において、「それまでの経験が重要である」ということに疑問を持つ人はほとんどいないでしょう。キャリアを積むことは、蓄積した経験を生かしていくこと。当たり前のようにそう認識している人も少なくないはずです。しかし、総合商社やコンサルティングファーム、外資系企業などでグローバル規模のキャリアを積み、レノボ・ジャパン代表取締役社長などの要職を重ねた留目真伸さんは、「過去の蓄積には頼らない」と言い切ります。インタビュー前編では、特定分野のスペシャリストではなく、すべてを管掌する経営人材を目指して奔走した若手・中堅時代を振り返っていただきました。

スペシャリストではなく経営者を目指し、部門の壁を超えた―SUNDRED 留目真伸さん

 

社長には1人しかなれないし、大きな組織ではほとんどの人は役員にもなれない――。総合商社や外資系企業などでグローバル規模のキャリアを積み、レノボ・ジャパン代表取締役社長などの要職を重ねた留目真伸さんは、そんな現実を指摘して「社内出世だけを目的にするべきではない」と話します。留目さん自身のキャリアにも、社内の枠を超えて大きな目的を目指した物語がありました。肩書きや年収にとらわれることなくキャリアアップを成し遂げてきた留目さんの思いを語っていただきます。

2020/01/30

1人しかなれない社長より、新たな目的を持つ「勇者」を目指すべき―SUNDRED 留目真伸さん

 

 

キャリアストーリー



Industry-Up Day 2020 Spring - Interview Vol.1 - ビューティインテグレーション産業特別対談 -

業界構造が課題を生み出す

写真右:株式会社ダイアナ 代表取締役社長兼会長 徳田充孝 氏
写真左:SUNDRED株式会社 代表取締役/パートナー 留目真伸 氏

留目 今日は2月12日に開催予定の「Industry-Up Day 2020 Spring」の特別対談企画ということで、美容業界への課題意識や業界が実現すべき未来について、お聞きしたいと思っています。

徳田 美容室の過剰供給の課題から話を始めましょうか。美容業界には様々な課題がありますが、店舗の数と増え続ける店舗は業界問題の一因になっていると思います。データを見ると美容免許の交付数は年々下がっていますが、一方で美容室の数は増え続けています。

留目 独立開業して店舗を持つ美容師が増えているということですね。

徳田 はい。開業する方が増えている。しかし、市場規模は美容は1兆5000億円、理容は6000億円とほぼ横ばいのため、苛烈な顧客の獲得競争が慢性的に起こっています。

留目 開業している美容室が約24万軒。この数は多すぎる気がしますね。独立開業の夢を持って業界に入る人材が多いことや美容業界のきらびやかなイメージが開業を後押ししているのでしょうか。

徳田 就職前後でのギャップは存在すると思いますし、業界の離職率に表れているかもしれません。美容師の離職率は就職後1年目は50%、3年目で80%、10年目で92%、と非常に高い。美容師の平均年収は270万円ほどなのですが、この給与水準ではキャリアの転換を考える人は多いでしょうね。

留目 平均年収の低さはそもそも美容室の収益性が低い点に課題があると感じています。以前私が美容関連業界にいた際に美容師や美容室のオーナーにヒアリングを行ったところ、すでにお話しした店舗過剰の他にも低価格化、集客とリテンションが難しい、顧客がクーポンを高頻度で利用する、差別化が難しいなど、課題を数多く抱えているように思いましたね。

徳田 シャンプーやトリートメント、ヘアケア商品など物販を行うサロンもありますが、美容師は物販の教育を受けているわけではありませんから、サロンの収益への貢献度は低いかもしれません。

留目 美容室は高い設備投資がかかる一方で融資を受けやすい環境にあるとも聞きます。独立開業しやすい環境が24万軒の美容室を生んだのではないかという仮説を持っています。高度経済成長期は独立開業モデルは良かったかもしれません。しかし、店舗過剰や少子高齢化など社会構造が大きくシフトしているため、美容室の新しい形態や経営手法を考えなくてはいけない時期に差し掛かっているのかもしれませんね。

「働く人が豊かになる」業界を目指して

留目 先日実施したワークショップでは、美容室オーナー、ディーラー、美容師、SaaS開発、教育、コンサルティングなど、美容業界に関わるステークホルダーを巻き込んで対話を行いました。その際に、この業界が抱える課題は構造的に生み出されている可能性があると感じました。私としては業界課題にステークホルダーが一丸となって取り組む必要性があるとともに、美容業界の「実現すべき未来」も明確にしていく必要があると考えています。徳田さんはどのようなビジョンをお持ちでしょうか?

徳田 「働く人が豊かになる業界を目指す」ことが重要だと思っています。これは、美容サロンに関係する誰もが目指しているビジョンかもしれません。

ダイアナでは美容室との提携による三方良しモデルを展開しています。美容室と提携し、お客様がいない時間帯にウィッグのメンテナンスを行ってもらう、生産性向上を目的とした取組みです。

ウィッグのメンテナンスを希望するダイアナのお客様が、ダイアナと提携している美容室(*美・アップモデル店舗)に直接行き、そこでメンテナンス・似合わせ(調整)するというモデルです。それにより、美容室は空き時間が技術売上に変わり、また新規顧客との接点ができる。お客様は、その場で似合わせができ満足度が高まるなど、関わる人全てが幸せになるモデルとなっています。

留目 私は業界をアップデートする2つのトレンドがあるという仮説を持っています。1つは就労環境の改善、ITツール導入など生産性向上などの業界共通課題の解決の促進。もう1つはダイアナさんが取り組まれているような新しいビジネスモデルや顧客体験の開発です。

業界共通の課題解決であれば、OaaS( オペレーション アズ ア サービス)の提供、顧客データや美容データのAIの利活用といったソリューションが考えられますし、実際にこの領域で新規事業を創る企業が増えてきているように思います。

徳田 ダイアナでも女性のプロポーションに関するビッグデータを所有していますが、美容サロンはデータの利活用という観点でかなり可能性を秘めていると思います。美容関連の異業種との連携もそのうちの1つですね。

留目 頻度は人によって違いますが、髪は誰もが切る行為。つまり、美容サロンは最強の顧客接点とも言えます。ここに新産業を共創する可能性があると私は考えています。ただ、美容室をターゲットにしたSaaSの場合、開発と同時に美容室に対して地道な営業活動をしないといけません。不確実性の高いスタートアップには参入障壁が少し高い。

そこで、ダイアナさんのように新規事業に積極的に取り組まれている企業や課題解決に前向きな美容室と共創していくことで、新サービスの仮説検証と実装がスムーズになっていくのではないかと考えています。

徳田 「働く人が豊かになる」という目的が一致すれば、私たちは共創を歓迎しています。自社のビジョンの中にも業界内外との共創を明言していますからね。

留目 2月12日当日は他の登壇者の方も交えて、美容業界が実現すべき未来や共創の可能性についてお話しできればと考えております。当日はSUNREDが開発した新産業共創プロセスを用いて明らかになった、美容業界のシステムや課題についても紹介したいと思っています。本日はありがとうございました。

徳田充孝
株式会社ダイアナ 代表取締役社長兼会長
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会理事
上場企業などの経営、再建に関わり株式会社ダイアナにて、トータルビューティ―をコンセプトに事業展開2014年MBOを実施し、更なる成長を目指す。全国に約750のFC店舗を展開し、2030年、4000店舗を視野に事業展開。

留目真伸
SUNDRED株式会社会社 代表取締役  パートナー
総合商社、戦略コンサルティング、外資系IT日系製造業等において要職を歴任。レノボ・ジャパン株式会社、NECパーソナルコンピュータ株式会社 元代表取締役社長、資生堂CSOを経て2019年7月よりSUNDREDの代表に就任し、「新産業共創スタジオ」を始動。

取材/編集
西山和馬
SUNDRED株式会社 ディレクター


美容サービス業界の未来を考える、新たなコミュニティーをキックオフ!

美容サービス業界は、まさに課題が満載

 

 

10/31(木)、神宮前のWeWork Icebergにてイベント「美容サービス業界の『実現すべき未来』とは?」が開催されました。その模様をレポートします。

 

ビューティ&ヘルスケア領域で新たなビジネスモデルを開発しながら事業成長を遂げている株式会社ダイアナと、社会起点のアプローチで100個の新産業の創出に取り組んでいるSUNDRED株式会社が共鳴したのが、このイベント開催のきっかけ。美容サービス業界における『実現すべき未来』、新しいエコシステムはどうあるべきなのでしょうか?

会場となった表参道のWeWork(Iceburg)には100人を超える聴衆が参加し、立ち見も多数でるほどの大盛況。

 

まずは司会の株式会社Dサクセッションパートナーズ高畑公志さんより、美容サービス業界の市場状況をイントロダクションとして説明いただきました。

高畑さんからは、「24万軒」「270万円」「1年 50%、3年 80%、10年 92%」という具体的な数字が提示されました。

 

24万軒は、日本国内の美容室の数、270万円は美容師の平均年収。そして「1年 50%、3年 80%、10年 92%」は美容師の勤続年数に対する離職率。なんと1年で50%、3年で80%、10年で92%の人が離職をするそう。

 

ブラック企業といわれる企業ですら1年で30%程度といわれるため、これは驚くべき数字といえます。

美容室の数は年々増加している一方で、美容師の離職率は非常に高く、平均年収も高いとは言えません。SUNDRED株式会社 代表取締役 / パートナーの留目真伸さん曰く「この業界の主役である美容師にとってはなかなか厳しい環境であり、業界として『実現すべき未来』を描けていない状況にあります」とのこと。

登壇者の自己紹介からも「業界が変わっていない」「変えなきゃいけない」というワードが飛び出します。ではどうすれば変わるか、どう変えるべきなのかが語られます。

 

新しい動きとプレーヤー

一例として、ダイアナのウィッグ事業が紹介されました。これはウィッグのメンテナンスを約750店舗のフランチャイズ店舗だけでなく、一般の理美容室とも連携して行うことで、美容室の稼働率の向上と経営の安定を図り、さらにお客様に対しても従来の工場依頼でのメンテナンスよりも待ち時間を短縮するという、まさに三方良しのモデルです。

 

株式会社ダイアナの徳田充孝・代表取締役社長は、「働く人が豊かになれるモデルにしなければ、この業界の未来はない」と力強く語りました。

一方、LiME株式会社の古木数馬さんは、現役の美容師・サロンオーナーとして活動するかたわら、美容師やサロンが容易にカルテ管理を実現しお客様とコミュニケーションのできるWEBサービスを立ち上げて、全国に展開。時間のない中で手軽に顧客管理ができることで、お客様の満足度をあげてリテンション(再訪)につなげるという課題解決に取り組んでいます。

 

パネルディスカッションは白熱した議論に

パネルディスカッションでは、こうした新しい動きを拡大していくためには、どうすればいいのかが語られました。

 

登壇したのは前述のダイアナ徳田さん、  LiME古木数馬さんに加えて、渋谷区議会議員の中村豪志さん、株式会社ナイアンティック アジア・パシフィック プロダクト・マーケティング シニア・ディレクターの足立光さん。

 

モデレーターの留目さんからは「 新たな価値観に基づく未来像は?」「マーケティングのあり方は?」といった問いが提示され、白熱した議論になりました。

 

留目:Industry 4.0、Society 5.0の新しいパラダイムに基づき、あらゆる産業がこれまでの業界構造を超えて新しい形に変わろうとしています。一方で美容サービスの業界は他の業界やインターネット上のサービスに無いユニークな強みを持っているにもかかわらず、それが必ずしも顧客やサービス従事者にとって望ましい形で付加価値に変えられていない。本来持っている強みを活かしきれていない。結果として、今の苦しい状況があります。巨大なプレイヤーが存在する訳では無いのでなかなか難しいのですが、業界全体をどうトランスフォーメーションしていくのか、ということが一番大事じゃないかなと思います。

 

左から、ダイアナ徳田さん、  LiME古木数馬さん、渋谷区議会議員の中村たけしさん、ナイアンティック シニアディレクターの足立光さん

徳田:1000円カットが出てきた時点で、もうえげつない同質化の戦いが行き過ぎた状況にある。だから業界自体を変えないといけない。今はネットの世界でもネットとリアルの融合が言われ始めている。そういう意味では美容業界はリアルの宝庫です、しかも濃密な「顧客接点」を持ってる。正直、優秀な美容師はなんでも売れる、家でも車でも売れる。また、リアルな接点を持つ事で、家族構成や趣味などのパーソナルな情報、昨日何処へ行った、今度は何処へ行くなど、パーソナリティに基づく行動データのようなネットでは取得しにくい「リアルなマーケティングデータ」にアクセスでき、これらのデータ蓄積は貴重な資産となり得る。

 

足立:美容師さんは、自分が美容師だという考えを捨てなきゃいけないと思うんです。2時間とか人を拘束できるってのは、実はすごく貴重な職業なんですよ。 むしろ自分がネットワークの中心にいる、ネットワークビジネスと思うべき。

 

留目:私はこれは「関係性産業」だって思ってます。その価値の本質を改めて認識していかないといけないと思うんですよね 。

 

美容師とお客様がパーソナルにつながる理想像

古木:美容業界はガラパゴス、逆に開拓すれば大きい。すでに集客サービスの規模は700億円以上もあります。でも集客の方法が集中しすぎていて、価格訴求中心かつクーポン合戦であまりリテンションにフォーカスしていない。いまはインスタグラムもあるし、美容師やサロンがお客様がパーソナルにつながれる仕組みがもっと必要です。

 

足立:どの店に行こうではなく、あの人の店に行こうということですよね。弁護士、コンサルタント、キャバ嬢(笑)、みんなそうです。そういう意味では SNS で個人として発信するのも大事。ただし日本の人口の半分はシニアだからSNS頼みだけでもダメで、お祭りとか色々な場において街の人気者になるしかない。業界を超えて外に行く個人にならなければいけない。

中村:お客様の趣味とかパーソナルデータを活用したり、それを手軽にカルテ管理できる仕組みが必要ですよね。あと差別化や他業界との連携でいうと、タイムバリューをどう考えるか。例えば出張先でもカルテに基づいていつもの美容室と同じように髪の毛を切れたらとか、新しい連携はそういう発想にあるんじゃないかと思ってます。

 

留目:親和性でいうとヘルスケア業界と連携したり、いろいろ考えられますよね。そのためには、目的志向で体系的なカルテにして、活用できるデータになっていないといけない。

足立:もちろんデータやカルテ管理も大事なんですけど、肝心なのはお客様と「何を話したか」ってことです。銀座でトップレベルのクラブのホステスはそれを全部メモっているし、究極は誕生日にメールをしましたかって話です。そういうことがあっての「関係性産業」なんだということを美容師が意識しないといけない。

 

可能性を秘めた業界をいかに魅力的にできるか?

 

パネルディスカッションのまとめでは、今後「美容サービス業界が魅力的なマーケットになるには?」という問いが。

 

中村さんは「投資を受けるためにはビジネスが伸びなければならないし、ESG投資の観点ような社会課題をいかに解決しているかという視点も必要」、古木さんは「事実としての変化や成果が重要。まずは働いている美容師が輝けるようにならないと」、徳田さんからは「最終的にはお客様とつながり、そして数を集めないと変わらない」という意見が出ました。

 

ちょっと違った視点で意見を述べたのは、元シュワルツコフ・プロフェッショナル日本代表として美容業界に携わった経験がある足立さんでした。

 

「美容サービス業界を魅力的にするという発想ではダメだと思う。なぜなら人口比あたりの店舗数が圧倒的にオーバーストアだから。欧米並み、いまの半分くらいにならないと収益構造はよくならない。だから美容師という個人やサロンがまず差別化をしていって、その集合体として業界が魅力的になるのを目指すべきです」

「ここは結論を出す場ではなく、問いを深める場。これから魅力的な業界にしていくために共創していきましょう」という留目さんの結びの通り、美容サービス業界は実はとても大きな可能性を秘めているということが、多くの人にリアルに伝わったと思います。

 

この後の懇親会でも、WeWorkの素晴らしいスペースのあちらこちらで、活気あるディスカッションがかわされていたことが、それを物語っていました。

 

ここで生まれた新たなコミュニティが、どう発展しどう美容サービス業界を変えていくのかに、ご期待ください!


新産業共創プログラム「ISP」募集開始

SUNDRED株式会社は、一般社団法人JapanInnovation Networkと共同運営する「新産業共創スタジオ」のプロジェクトを追加・拡大していくため、本日10月15日より「Industry-Up Studio Program」(略称ISP)の募集を開始いたします。

今回募集するのは、「スタジオパートナー」「エコシステムパートナー」「トリガー事業」の3つのカテゴリーで、2020年4月までに7つの新産業シーズの事業化を目指します。

同時に現在進行している3つの新産業プロジェクトの紹介ページも公開いたしました。いずれも下記サイトの「project」欄よりアクセスできます。

▼ISPの詳細については下記サイトをご覧ください

https://www.industry-up.com/

▼プレスリリースについては下記ページをご覧ください

Industry-Up Studio Programの募集開始