
共創、リビングラボ、共創フェスティバル。 2025年12月13日、滋賀県守山市の立命館守山中学校・高等学校で開催したco.shiga.fes 2025は、滋賀における共創の現在地を「見る・聞く・体感する」場として企画したイベントです。複雑化する地域課題に対し、企業、行政、教育機関、福祉、学生、市民が交わり、リビングラボという実践の場を通じて新たな価値を生み出す。その可能性を可視化することを目的に開催しました。来場者は500名以上、関係者は127人にのぼり、滋賀県内での共創の認知拡大と、co.shigaに関わる人の裾野を広げる機会となりました。
イベント名:co.shiga.fes 2025
開催日:2025年12月13日(土)10:00〜16:00
会場:立命館守山中学校・高等学校(〒524-8577 滋賀県守山市三宅町250番地)
主催:一般社団法人co.shiga
共催:守山市


一般社団法人co.shigaは、滋賀県を舞台に、国内外の企業、学術機関、研究機関、個人などが持つ先進技術の実証実験や社会実装を推進し、自治体や関連団体との連携を通じて未来の社会像を共創することを目的として設立された組織です。活動領域には、オープンイノベーションの推進、イベントの企画・開催、情報発信、協業・共創を促進するコミュニティ運営が含まれています。
リビングラボとは、企業や行政、大学、市民など多様な主体が実社会を実験場として、新しいサービスや仕組みを共に試し、磨き上げる取り組みです。co.shigaは、守山市から滋賀県全体へと共創の実践を広げていく拠点として立ち上がりました。
また、co.shigaにはSUNDREDも深く関わっています。一般社団法人co.shigaの理事には留目真伸が名を連ねており、SUNDREDはco.shigaの設立支援にも関わってきました。SUNDREDが掲げる産業共創の考え方と、co.shigaが地域で実践するリビングラボ型の取り組みは、地域から新たな産業と価値を生み出すという点で重なっています。
今回のco.shiga.fes 2025は、これまで計6回実施してきた「co.shiga.5」をベースに、マルシェの新設と高校生40人の参画という新たな要素を加え、共創を「知る」から「体感する」へと広げることを目指して開催しました。
トークセッションは、4つのテーマで構成しました。
最初のセッション「地域におけるリビングラボの提供価値」では、地域をフィールドに多様なプレイヤーが交わり、対話を重ねながら未来像を描く意義について議論しました。地域だからこそ生まれる実践知や、一社・一人では解決できない課題に対して異分野連携が果たす役割を共有し、リビングラボの価値をあらためて確認する機会となりました。
続く「企業×教育の共創」では、京セラ株式会社、株式会社Liquitous、守山市企業連携室、立命館守山高等学校の実践を通じて、教育DXの可能性を掘り下げました。教育DXとは、デジタル技術によって教育を効率化するだけでなく、学び方や意思決定のプロセスそのものを変革する取り組みです。電子投票を活用した生徒会選挙や、オンラインツールを用いたルールメイキングの事例からは、生徒が意思決定の主体になる学習環境の広がりが見えてきました。
「学校と地域で考えるケアリング・ソサエティ」では、学校、福祉、研究、学生が集まり、支援する側・される側という二項対立を超えた社会のあり方を議論しました。ケアリング・ソサエティとは、誰かを一方的に支えるのではなく、互いに支え合う関係性を社会全体で育てる考え方です。学校の居場所づくりや、福祉施設を地域へ開く試み、高校生の率直な視点が交わることで、世代横断でケアを再定義する時間となりました。
「まちづくりと共創―地域生活圏―」では、国土交通省、自治体首長、学生、一般社団法人co.shigaが登壇し、市町村の境界を越えた暮らしの実態と広域連携の必要性を議論しました。地域生活圏とは、人々の通勤、通学、買い物、医療、余暇などの日常行動が成り立つ生活単位を意味し、行政区域と一致しない場合もあります。制度や組織の枠を越えて連携する必要性を共有し、地域の実態に即した共創のあり方を考えるセッションとなりました。

ワークショップでは、マザーレイクゴールズ推進委員会による「滋賀で共創をうみだすチャレンジワーク」を実施しました。10代から60代までの参加者が、琵琶湖や地域課題について多様な視点から意見を交わし、世代を超えた対話の場が生まれました。マザーレイクゴールズ(MLGs)とは、琵琶湖を切り口に持続可能な地域社会を目指す行動目標です。
また、Orbit Base Moriyamaによるスープピッチでは、平和堂守山店、みらいもりやま21、株式会社Liquitousと学生がチームを組み、地域での実践と今後の展望を発表しました。スープピッチとは、食を囲みながら挑戦者の思いを聞き、参加者の投票によって応援を可視化する参加型のピッチ企画です。挑戦を評価するだけでなく、地域全体で後押しする空気をつくれたことは、大きな成果の一つでした。

会場には滋賀県内23団体が参加するマルシェが立ち上がり、出店者からは「企業の方とコラボの話が進んだ」「複数の出店者と新たなつながりが生まれた」といった声が寄せられました。イベントを通じて、単発の交流にとどまらない具体的な接点づくりを進めることができました。
さらに、立命館守山高等学校の高校生40人が関係者として参加し、運営や探究成果の発表を担いました。次世代が共創の担い手として前面に立つことで、地域の未来を自分ごととして捉える実践の場にもなりました。
来場者500名超という規模に加え、交流、スタンプラリー、抽選会など複数の導線を設けたことで、来場者が自然に会場内を回遊し、団体や参加者同士の接点が生まれる構成としました。



参加者からは、
「初めての参加だったが、意見を出すうちにどんどん楽しくなった」
「普段関わることのない人たちと交流できた」
「琵琶湖について、課題や対策を多様な視点で考えられた」
といった声が寄せられました。
高校生からも、
「色んな年代の方と関わることができて楽しかった」
「色んな人と話せて新しい知識を得られた」
といった感想があり、世代や立場を越えた接続がイベントの価値として実感されていました。


co.shiga.fes 2025は、滋賀における共創の成果を共有する場であると同時に、次の実践につながる起点にもなりました。Orbit Base Moriyamaの最終成果発表会は2026年3月20日に予定しており、本イベントで生まれた接点や対話を、その後の具体的なプロジェクトや連携へとつないでいきます。
今後も一般社団法人co.shigaは、滋賀に関わりたい人を増やし、地域で挑戦したい人を応援し、つなげる取り組みを継続していきます。
SUNDREDとしても、今後もco.shigaの活動を通じて、滋賀における新産業の共創と地域の活性化による新たな価値創造に取り組んでいきます。地域発の実践を起点に、多様なプレイヤーが交わりながら新しい産業や社会システムを生み出していく。そのプロセスに、引き続き伴走していきます。

共創:企業、行政、教育機関、市民など異なる立場の主体が、対話と協働を通じて新しい価値を共につくること。
リビングラボ:実際の地域や生活空間を舞台に、多様な参加者が社会実装を前提に実験・検証する共創の場。
地域生活圏:行政区域ではなく、人々の実際の暮らしの移動や活動に基づく生活単位。
教育DX:デジタル技術を使って教育の運営や学びの仕組み、意思決定プロセスを変革すること。
ケアリング・ソサエティ:支援の一方向性を超え、互いに支え合う関係を社会全体で育む考え方。
マザーレイクゴールズ(MLGs):琵琶湖を起点に、滋賀県の持続可能性と地域の未来を考える行動目標。
スープピッチ:食を囲みながら挑戦者の話を聞き、投票を通じて応援を可視化する参加型ピッチ。