ネイチャーガバナンスとネイチャーポジティブの社会実装を議論――SUNDREDが自治体・企業・研究機関・スタートアップと共創の起点を形成

 

ネイチャーガバナンス、ネイチャーポジティブ、共創。この3つのキーワードを軸に、SUNDRED株式会社は2025年11月12日、自治体・企業・研究機関・スタートアップが交差する対話の場を開催しました。気候危機と生物多様性の損失が経済・産業に直接的な影響を与えるなか、ネイチャーガバナンスを単なる環境論にとどめず、ネイチャーポジティブを実装する産業づくりへどう接続するかが問われています。本イベントは、ネイチャーガバナンスを社会設計の視点から捉え、ネイチャーポジティブを事業・政策・研究・地域実装へとつなぐ共創の出発点として企画されました。SUNDREDが掲げる「100個の新産業を共創する」という構想のもと、参加者は自然資本と都市経済をつなぐ新たな可能性を具体的に議論しました。

  • イベント名:ネイチャーガバナンス、ネイチャーポジティブについて「知る」「語る」「考える」〜地域×自治体×企業×スタートアップ連携の最前線〜

  • 日時:2025年11月12日(水)15:00〜17:30(懇親会 〜19:00)

  • 会場:Incubation CANVAS TOKYO

  • 住所:東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン29階 / artience株式会社内

  • 主催:SUNDRED株式会社

  • 協力:Incubation CANVAS TOKYO

  • 主な登壇者:SUNDRED株式会社 代表取締役 CEO 留目 真伸氏 / 株式会社AIST Solutions コーディネート事業本部 コーディネータ 及川 隆信氏 / 環境省大臣官房統括官グループ 環境計画室 室長 黒部 一隆氏 / 株式会社ヒューマンルネッサンス研究所 代表取締役社長 立石 郁雄氏

  • ファシリテーター:SUNDRED株式会社 パートナー 岡本 克彦氏

 

本イベントの背景には、自然資本への依存が高い現代経済において、気候変動や生物多様性の損失が企業活動や都市経済の持続性を左右するという危機認識があります。国際的にもTNFD(自然関連財務情報開示=企業が自然への依存や影響、リスクを整理して開示する枠組み)などの動きが進み、ネイチャーポジティブ経済への移行は、環境政策だけでなく産業政策のテーマになりつつあります。SUNDREDは、こうした社会課題を新たな事業機会へ転換するため、共創型スタートアップ支援と新産業エコシステム構築を掛け合わせた実践を進めており、本イベントもその延長線上に位置づけられます。

オープニングでは、SUNDRED株式会社 代表取締役 CEO 留目 真伸氏が、TOKYO SUTEAM採択事業「ネイチャーガバナンス・スタートアップ・プログラム」の全体像を紹介しました。同プログラムは、ネイチャーポジティブに資するスタートアップの発掘・支援、自治体・企業・研究者とのPoC(概念実証=新しい技術や事業仮説を小規模で検証する取り組み)の加速、そして伴走支援を担う人材の育成を通じて、東京発のエコシステム形成を目指すものです。

続くキーノートとパネルディスカッションでは、「ネイチャーポジティブの産業化とスタートアップの可能性」をテーマに、行政、研究機関、企業の視点が交差しました。議論の中心となったのは、ネイチャーポジティブを理念で終わらせず、制度、研究、事業、地域実装をどう接続するかという点です。自然資本を守るだけでなく、保全・再生・循環・発展を含む経済活動へどう落とし込むか、また都市と自然の関係をどう再設計するかが重要論点として浮かび上がりました。

共創ワークショップでは、地域、自治体、企業、スタートアップ、研究者が混成チームを組み、「環境DNA解析による生物多様性モニタリング」「都市と自然の共生モデル構築」「サーキュラーエコノミーと自然資本」などを題材に討議しました。ここでいうアジェンダとは、単なる議題ではなく、実現したい未来像とそこに至る論点を体系化した“共通の目的地”を指します。SUNDREDが重視するのは、このアジェンダを起点に多様な主体が役割を持ち寄り、新産業の芽を育てることです。

本イベントは、単発の情報共有にとどまらず、ネイチャーガバナンス産業の創出に向けた関係人口を広げる場として機能しました。自治体・企業・研究機関・スタートアップが同じテーマで対話し、PoCや将来の連携可能性を見据えた接点を持てたことは大きな成果です。SUNDREDが掲げる「新産業共創プロセス」においても、こうした対話と仮説形成の段階は、その後のプロジェクト組成や社会実装の質を左右する重要なステップです。

SUNDREDは今後、ネイチャーガバナンスを起点に、ネイチャーポジティブ経済のフロントランナーを東京から生み出す取り組みを本格化させていきます。スタートアップ支援、伴走人材の育成、実証の推進、エコシステム形成を一体で進めることで、自然資本と都市経済の橋渡しを担う新たな産業領域の創出を目指します。SUNDREDの取り組みは、個社の新規事業開発に閉じず、社会起点で産官学民をつなぐ“新産業の共創”そのものを設計する点に特徴があります。

 

用語集

  • ネイチャーガバナンス:自然資本を前提に、社会・経済・制度のあり方を再設計する考え方。

  • ネイチャーポジティブ:自然環境への負荷を減らすだけでなく、保全・再生まで含めて自然を回復基調にする考え方。

  • 自然資本:森林、水、土壌、生物多様性など、人間社会や経済活動の基盤となる自然の資源。

  • PoC(概念実証):技術や事業アイデアが現実に成立するかを小規模に試す検証プロセス。

  • アジェンダ共創:多様な関係者が、実現したい未来と解くべき課題を共有し、共通の目的を設計すること。

  • インタープレナー:組織の枠を越え、社会起点で目的を共創し、仲間とともに変革を推進する人材。

  • リビングラボ:生活者や地域を巻き込みながら、実社会の中で実証と共創を進める場。