軽井沢町「まちづくり共創構築事業」成果報告トークセッションレポート|共感と共創の二層モデルによる住民主体のまちづくり

本イベントは、軽井沢町における「令和7年度まちづくり共創構築事業」の成果を共有し、今後の方向性を議論する重要な機会として開催されました。本事業の中核を成す「共感と共創の二層モデル」は地域の未来を形づくる鍵となる概念であり、本事業を通じて具体的な仕組みとして設計しました。SUNDRED株式会社は本プロジェクトの企画・推進、および、コミュニケーション設計を担い、人口減少や価値観の多様化が進む現代において「共感と共創の二層モデル」を基盤とした住民主体のまちづくりは、全国的にも注目されるモデルとなり得るものと考えます。

 

– 日時:2026年3月27日

– 会場:アステリア株式会社 軽井沢リゾートオフィス

– 主催:軽井沢町

– 企画・運営:SUNDRED株式会社

– 登壇者:

– アステリア株式会社 代表取締役社長/CEO 平野洋一郎様

– 軽井沢町町長 土屋三千夫様

– SUNDRED株式会社 留目真伸様

– こどものまち軽井沢 松浦麻衣子様

– アステリア株式会社 松浦真弓様

– 参加者:住民・事業者・関係者

 

軽井沢町ではこれまで、行政から住民への情報伝達が中心となるコミュニケーションが多く、住民が主体的に関与する仕組みが十分とは言えませんでした。また、地域で行われている多様な活動が十分に可視化されておらず、相互の連携が生まれにくい状況も課題として存在していました。こうした背景のもと、「住民主体のまちづくり」を実現するために、SUNDRED株式会社と共に「まちづくり共創構築事業」を実施しました。

 

1.オープニングトーク:アステリア株式会社 平野洋一郎様

平野様からは、軽井沢に拠点を設けた意義として「ウェルビーイング」と「創造性」の観点からお話しいただきました。AIを含めた様々な技術が進展し、デジタル化が加速する社会において、人間ならではの創造力を最大化させるには自然環境の中での働き方が重要であると指摘されました。そして、軽井沢の豊かな自然と多様な人材が交差する環境は、新しい価値創出の拠点として非常に大きな可能性を持っていると述べられました。

2. 成果報告:「共感と共創の二層モデル」

SUNDRED株式会社 留目真伸は、1年間の取り組み成果として「共感と共創の二層モデル」を提示しました。

– 共感を育む対話の場:対話を通じて価値観を共有し、共通の未来像を形成するプロセス

– 共創による実践:共感をもとに具体的なアクションを生み出し、実践するプロセス

 

軽井沢町町長 土屋三千夫様が大切にされている「軽井沢愛」と「軽井沢力」との関係性として、

– 共感=軽井沢愛(地域への想い・共通の価値観)

– 共創=軽井沢力(多様な人材・資源を活かした実行力)

と位置づけることができ、「共感と共創の二層モデル」は軽井沢町の本質を構造化した文化形成のモデルでもある点を強調しました。

また、住民との対話から導き出された5つの未来像が共有されました:

  1. 自然や環境を大切にするまち
  2. 生活(暮らし・保養)と観光が調和するまち
  3. 安心して暮らせるまち
  4. 文化と歴史を受けつぎ、新しい文化を生み出すまち
  5. 未来をつくる人とつながりを育むまち

今後は「共感と共創の二層モデル」を通じた住民主体のプロジェクトで実現していく予定です。

3. トークセッション1「まちづくり共創を通じた信頼とリスペクトの文化形成へ」

軽井沢町町長 土屋三千夫様は、本事業の背景として、これまでの行政主導のまちづくりからの転換の必要性を強調されました。

「これまでのまちづくりは、行政が決めて住民に伝える形が中心でした。しかしそれでは、住民の皆様の思いや力を十分に活かすことができません。今回の取り組みでは、最初から住民の皆様と一緒に考えるプロセスを重視しました」と語られました。

また、「軽井沢愛」と「軽井沢力」という概念にも触れながら、次のように述べられました。

「軽井沢には、この町を大切に思う『軽井沢愛』があり、それを形にする『軽井沢力』があります。この二つが重なったときに、本当の意味でのまちづくりが進んでいくのだと考えています」

さらに、多様な人材が集まる軽井沢においては、「信頼」と「リスペクト」が不可欠であると指摘されました。

「軽井沢は非常に多様な価値観を持つ方々が集まる町です。その中で方向性を合わせていくためには、お互いを尊重し、信頼することが何より重要です。これは単なる理念ではなく、実践していくべき文化だと考えています」

加えて、地域を支える見えにくい活動への評価についても強調されました。

「発言の場に出てこなくても、すでに地域で活動を続けている方々がたくさんいらっしゃいます。その方々の存在こそが、軽井沢のまちづくりの土台です。その価値をしっかり認識することが重要です」

4. トークセッション2  「まちづくり共創への期待と可能性」

こどものまち軽井沢 松浦麻衣子様は、住民の立場から1年間の取り組みを振り返り、共通ビジョンの形成に大きな意義を見出されました。

「最初に出てきた5つの未来像は、本当に自然に、誰も違和感なく共有できたものでした。これは行政と住民の思いが一致している証拠であり、非常に強い基盤だと感じました。共通のゴールが見えていることで、そこに向かうプロセスを前向きに議論できる状態になったと思います」

また、今後の展開についても期待を示されました。

「これだけ多様な人材が関わっているからこそ難しさもありますが、それ以上に可能性が大きいと感じています。それぞれの立場や得意分野を活かして関わることで、これまでにない形のまちづくりが実現できるのではないでしょうか」

一方、アステリア株式会社 松浦真弓様は、多様性そのものが軽井沢の強みであると強調されました。

「軽井沢の“町の人”という言葉には、住民だけでなく、観光客、事業者、別荘所有者など、さまざまな方が含まれています。この多様な関係人口が交わることで、他の地域にはない価値が生まれていると感じています」

さらに、対話を通じた気づきについても次のように述べられました。

「対話を重ねる中で、自分にはなかった視点や考え方に多く触れることができました。こうした多様な視点が集まること自体が、大きな可能性であり、それをどう活かしていくかが今後の鍵になると思います」

また、SUNDRED株式会社が推進する共創の考え方との親和性についても触れ、「共感から始まり、共創へとつながるプロセスは、まさに今回の取り組みの本質だと感じました」と語られました。

成果とアウトカム

– 「共感と共創の二層モデル」の確立

– 「軽井沢愛」と「軽井沢力」の構造的整理

– 住民・行政・企業が共有する5つの未来像の形成

– 対話を基盤とした共創プロセスの構築

– 共創コーディネーター(中間活動体)という役割の再定義

特に、SUNDRED株式会社が設計した「共感と共創の二層モデル」は、軽井沢町の本質を可視化し、実践につなげるフレームワークである点に特徴があります。

参加者からは、

– 「共感と共創の関係が非常にわかりやすく整理された」

– 「軽井沢愛と軽井沢力という言葉が腹落ちした」

– 「対話の重要性を実感した」

という声があがりました。

今後は、以下の取り組みが想定されていきます。

– 共創コーディネーターの育成と役割確立

– 日常的な対話の場の拡充

– 小さな共創プロジェクトの実践

– デジタルによる活動可視化

 

参考・用語

– 共感と共創の二層モデル:SUNDRED株式会社が提唱する、共感(軽井沢愛)と共創(軽井沢力)を循環させるまちづくりモデル

– 共創:多様な主体が協働して新しい価値を生み出すプロセス

– 関係人口:地域に継続的に関わる住民以外の人々

– ウェルビーイング:心身ともに良好な状態

– 共創コーディネーター:共創を推進する調整役