【開催レポート】CRAFT FISH restaurant 〜未来の魚を、未来のかたちで味わう〜

2025年6月27日、東京・新大久保の「K,D,C,,,」にて、「CRAFT FISH restaurant」を開催しました。

本イベントは、持続可能な水産業の未来を考える仲間が集まり、陸上養殖を中心とした新しい水産物の魅力を体験し、語り合うポップアップレストランです。

イベント概要

「食べることが未来の海を守る選択肢になる」

そんな想いのもと、養殖生産者が丁寧に育てた魚たちが一堂に会しました。

料理人による特製フィンガーフードとともに、参加者同士が交流し、生産現場のリアルな声を知り、陸上養殖の可能性を五感で味わう場となりました。

 

パネルディスカッション

セッション1:一次産業や養殖業の危機と課題

登壇者

  • 竹村 明洋(琉球大学)
  • 山本 祐二(プラントフォーム)
  • 工藤 幸一(Novelgen)
  • 渡辺 悠介(ユーグレナ)
  • モデレーター:吉田 直樹(SUNDRED)

対話内容

登壇者それぞれが陸上養殖に取り組む背景や、取り組む中で直面している課題を共有しました。

特に、「それぞれの事業者の取り組みを一社で抱え込まむのではなく、共創によって解決することで産業全体が活性化する」という姿勢が強調されました。

コンソーシアム内での企業間連携事例として、設備開発、販路開拓、技術共有などが紹介され、競争ではなく共創の重要性が再確認されました。

養殖業界全体が抱える課題を超えて、産業としての持続可能性を高めるには、各社の強みを補完し合うことが不可欠であるという共通認識が形成されました。

セッション2:リジェネラティブな水産業を中心とした地域価値づくり

登壇者

  • 羽賀 史浩(琉球大学)
  • 大塚 さと子(秋田県能代市 地域おこし協力隊)
  • 横井 優子(NTTグリーン&フード)
  • 武藤 太郎(料理人・株式会社武藤)
  • モデレーター:深田 昌則(SUNDRED)

対話内容

このセッションでは、「地域の未来をつくる水産業の新しい役割」について議論が行われました。

例えば、地域の廃校や空き施設を活用した陸上養殖が、生産拠点であるだけでなく、人が集まり、学び、交流する地域の新たな価値創造の場となっている事例が紹介されました。

また、料理人の立場からは、陸上養殖の魚の特徴(脂の乗りや質感の違いなど)に着目し、「単なる食材」ではなく、「どう育てられ、どう届けられたか」までを理解することが料理の価値を高めるという意見が共有されました。

さらに、地域との共創によって生まれる教育的価値や文化的価値が、単なる生産を超えた水産業の未来像として描かれました。

今後の展開

CRAFT FISH restaurantは単発イベントではありません。

今後も、「食べて知ることが、未来の海を守る一歩になる」を合言葉に、各地での開催を予定しています。

農水一体型サステイナブル陸上養殖共創コンソーシアムは、引き続き生産者・流通・技術・研究・行政が連携し、持続可能な未来の水産業の実現を目指して活動を続けていきます。

問合せ先:SUNDRED株式会社 CRAFT FISH restaurant担当(sundred@sundred.co.jp)

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